Gradientaの作品はどれも、実在する場所を写した一枚の写真から始まります。ここで例に取る写真に写っているのは、夕暮れどきのヴェルナッツァ。イタリアのリグーリア海岸にある港の村です。水辺から家々がせり上がるように建ち並び、窓には明かりがともり、周りの海は暗さを増しはじめています。
元になった写真は、Pexelsのストック写真です。Gradientaの多くの作品と同じく、完成した作品には撮影地の名前をつけています。そうすることで、作品と、その色が生まれた場所とのつながりを残しているのです。
上に示した三つの段階は、その変化をたどったものです。空を取り除いた写真、残った風景のなかに見いだした主要な五つの色、そして完成した作品。段階ごとに写真の色の見せ方は変わりますが、元の眺めの一部は残されています。
空を取り除く
最初のステップは、空を取り除くことです。風景写真では、空がかなりの面積を占め、全体のパレットに大きく影響することがあります。空を取り除くと、その下にある建物や陸地、水面などへと焦点が移ります。
ヴェルナッツァの写真の場合、残るのは港と家々、断崖、そして夕暮れどきに見える水面の映り込みや人工の明かりです。こうした要素が、次の段階で使う色の情報になります。
それでも、その見え方は、写真が撮られたときの条件に左右されます。石も、塗られた壁も、水も、光が変われば違って見えるものです。そのため、こうして得られるパレットは、この瞬間のヴェルナッツァの、この眺めならではのものになります。
色を並べる
次に、残った風景の色を読み取り、順に並べます。写真のなかでは、色のわずかな違いが、ものや表面のようすを伝えています。建物の下の影、水面の映り込み、漆喰に落ちる光。そうした色を並べ替えることで、色どうしの関係をより直接的に見られるようになります。
ヴェルナッツァのパレットは、次の主要な五つの色に要約できます。
- #0F1719:青緑がかった、黒に近い色。港を囲む暗い水を思わせます。
- #73858F:ひんやりとしたスレートグレー。村の陰になった面と結びつく色です。
- #C46114:暖かみのある錆色のオレンジ。明かりに照らされた石や漆喰に表れている色です。
- #154D67:海とつながる深い青。
- #423B31:暗い褐色のアンバー。断崖や壁と響き合う色です。
この五つの色は便利な要約ですが、作品そのものには、写真から引き出したもっと幅広い色が使われています。ショップでは、それぞれの作品の横に、この五つの色からなるパレットを表示しています。選んだ色の一部は「読みもの」のデザインにも引き継がれていて、この記事では、リンクと見出しにヴェルナッツァの錆色のオレンジを使っています。
順に並べた色は、残った風景の上に帯をなし、空のあった場所を満たします。村は作品の下部にそのまま見えているので、色の帯と、それが生まれた写真とを結びつけて見ることができます。
この過程で、新たな色が加わることはありません。変化は、写真にもともとある色を並べ替え、構図のなかでそれぞれの色が占める面積を変えることから生まれます。
色を整理すると、何が変わるのか
元の写真では、視線は船や窓、建物、岩といった、それとわかる細部のあいだを行き来することがあります。それらの色は風景を理解する手がかりになっていますが、多くの場合、もの自体と切り離して意識されることはありません。
色の帯は、その関係を変えます。写真ではわずかな面積しか占めていなかった色が目に留まりやすくなり、隣り合う帯によって、明るさや暖かみ、彩度の違いがよりはっきりと見えてきます。残された村は、このより抽象的な配置を見るときのよりどころになります。
ねらいは、風景とのつながりを保ちながら、色にはっきりとした構造を与えることです。繰り返しと連続性に安らぎを感じる人もいるかもしれませんし、色の帯と、その下に広がる細やかな風景との対比のほうに興味を引かれる人もいるかもしれません。
風景の好みに関する研究は、これに関連する問いを投げかけています。細部の組み立てられ方は、イメージに対する私たちの反応にどう影響するのか。この研究は構図について考えるひとつの手がかりになりますが、これらの作品に人々がどう反応するかを立証するものではありません。「見ることの科学」では、この研究を、色の知覚や感情との結びつきとあわせて紹介しています。
1作品あたりの元写真の枚数
5各パレットを要約する主要な色の数
3キャンバスの仕立ての種類
48コレクションの作品数
ファイルからキャンバスへ
完成した構図は、高解像度のファイルとして用意します。キャンバスはご注文のたびに、お客様に最も近い提携プリント会社でプリントします。
仕立ては三種類あり、壁に掛けたときの縁の見え方と奥行きが、それぞれ異なります。
- 木枠張りキャンバス:400g/m²のキャンバスにプリントし、厚さ38mmの木枠に手作業で張ります。周りにフレームはつきません。
- 額装キャンバス:キャンバスを、より薄い19mmの木枠に張ってフレームに収めます。画面の周りに、くっきりとした境界が生まれます。
- フローティングフレーム:キャンバスと周りのフレームのあいだにわずかなすき間があり、キャンバスの側面と奥行きが見えます。
仕立ては、作品のサイズや周りにあるものとあわせて考えてみてください。フレームのないキャンバスでは画面そのものが縁になり、フレームのある仕立てでは、配置のなかにもうひとつの要素が加わります。キャンバスガイドでは、選べる仕立て、サイズ、厚みを比べられます。
完成した作品を見る
「ヴェルナッツァ - 光の残響 No.006」は、実在する場所の写真から生まれた48点の作品のひとつです。濃い青、グレー、錆色のオレンジが、元の写真にとらえられた自然光と人工の明かりのバランスを映しています。
ほかの場所のパレットと比べるには、「作品を見つける」で色から作品を探してみてください。下にリンクした「海辺の風景」コレクションでも、関連する眺めをご覧いただけます。
Gradientaについての画像や情報は、プレスページでご覧いただけます。
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